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2013/1/23

経済産業情報

発がん性指摘のGMトウモロコシ、科学データ開示=EFSA

この記事の要約

欧州食品安全機関(EFSA)は14日、発がん性が指摘されている遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ「NK603」の認可プロセスで検証したすべての科学的データをウェブサイトで公開した。これはフランスの研究チームが昨年9月、N […]

欧州食品安全機関(EFSA)は14日、発がん性が指摘されている遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ「NK603」の認可プロセスで検証したすべての科学的データをウェブサイトで公開した。これはフランスの研究チームが昨年9月、NK603と発がん性の関連を示す実験結果を発表したのを機に、同品種を認可したEFSAに対して徹底した情報開示を求める声が高まっているのを受けた措置。EFSAはこれまで情報提供の要請があれば個別に対応してきたが、NK603の安全性に対する「関心の高さを考慮して」積極的な情報開示に踏み切った。

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問題となっているのは、米モンサントが開発した除草剤「ラウンドアップ」に耐性を持つGMトウモロコシ。EFSAは2009年、NK603は遺伝子組み換えを施していない通常のトウモロコシと同様に安全との判断を示し、域内への輸入を認可した。しかし、専門誌に掲載された仏カーン大学の研究チームの論文によると、マウス200匹を使った2年間にわたる実験では、NK603入りのエサを食べるか、ラウンドアップに接触したグループでがんの発生率が通常より高いことが確認された。

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EFSAはこれに対し、仏チームの実験方法やデータ分析には不適切な点があり、「科学的妥当性に欠ける」と指摘。公表されたデータを見る限り「NK603に関する安全性評価を見直す必要はない」との見解を表明したが、環境保護団体や消費者団体などからEFSAの認可プロセスを疑問視する声が上がっていた。

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