米General Motors(GM)が欧州子会社Opelの独ボーフム工場での車両生産を本来の計画よりも2年早い2014年末で打ち切ることを検討している。GMのスティーブン・ガースキー副社長(Opel監査役会長)が従業員宛ての文書で明らかにしたもので、Opelの全従業員が賃上げ放棄などの形で経営再建にさらなる協力を行わない限り、避けられない措置だとしている。同文書を入手した各種メディアが22日、報じた。
\Opelは長年、赤字が続いており、GMの経営の足かせとなっている。欧州債務危機の発生後は主力の欧州市場が急速に縮小、Opel再建のメドは立たない状況だ。GMはこうした現状に危機感を持っており、ガースキー副社長は「赤字から脱却しない限り、賃上げは実施できない」として、Opel従業員に大幅な譲歩を迫った。
\23日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、Opelは昨年12月、GMから融資を受ける見返りとして独国外の複数の工場を担保として差し出したという。従業員が要求を受け入れない場合、同副社長は融資を打ち切る可能性もあると示唆している。
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