有力なバイオ医薬品が2015年までに相次いで特許切れとなることを背景に、バイオ医薬後発品(バイオシミラー)市場は今後、急速に拡大する見通しだ。独市場調査機関INSIGHT Healthの調査によると、ドイツの特許切れ医薬品市場におけるバイオシミラーのシェアは14年に初めて後発医薬品(ジェネリック薬)を上回り、その後数年間はシェア逆転が続くと予想される。22日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。調査は後発医薬品団体Pro Generikaの委託を受けてINSIGHT Healthが実施した。
\国内バイオシミラー市場の12年売上高トップ3はMSDのリウマチ/クローン病治療薬「Remicade」(1億5,200万ユーロ)、ファイザーのワクチン薬「Prevenar」(1億2,000万ユーロ)、ノバルティスの「Lucentis」(5,700万ユーロ)だった。2015年にはAmgenのリウマチ薬「Enbrel」が特許切れを迎える。同薬は需要が大きくバイオシミラーとしても高い収益性が見込めるため、製薬会社の開発競争が激化しそうだ。
\ただ、バイオ医薬品は化学合成の薬と比べて構造が複雑なうえ、菌やほ乳類の細胞を介して培養されるため、一般的なジェネリック医薬品のように先行品とほぼ同じ製品をつくることが極めて難しい。また、安全性と有効性の確認に新薬並みの厳格な承認手続きが必要なため、開発費は業界試算でおよそ8,000万ユーロと、化学合成品(最大150万ユーロ)とは比較にならないほど高い。このため、費用を捻出する目的でバイオ医薬品メーカーとジェネリック薬メーカー、あるいはジェネリックメーカー同士が協力するケースが増えている。メルクとインドのジェネリック薬メーカーDr. Reddy’s、独StadaとハンガリーのGedeon Richterの提携はその一例だ。
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