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2013/1/30

経済産業情報

独眼鏡業界、成長への突破口模索

この記事の要約

ドイツの眼鏡製造・販売事業者が新たな需要を掘り起こすビジネスモデルを模索している。国内市場は金額ベースで穏やかな成長が続いているものの、販売数量ベースでは頭打ちとなっているためだ。メーカーが技術革新による高機能化や新素材 […]

ドイツの眼鏡製造・販売事業者が新たな需要を掘り起こすビジネスモデルを模索している。国内市場は金額ベースで穏やかな成長が続いているものの、販売数量ベースでは頭打ちとなっているためだ。メーカーが技術革新による高機能化や新素材、新デザインの開発でしのぎを削る一方、単独経営の店舗が主流を占める小売市場ではチェーン店化が進み、業界再編が加速しそうだ。23日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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ドイツの眼鏡業界には中小規模の企業が多い。フレームメーカーのSilhouette(ルートヴィヒスブルク)は世界5指に入る有力企業だが、売上高は1億4,000万ユーロ、従業員数は1,300人に過ぎない。老舗眼鏡メーカーRodenstock(ミュンヘン)の売り上げの柱はレンズ(2億8,000万ユーロ)で、フレームは8,000万ユーロにとどまる。

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メーカーは成熟市場のなかで新たな需要を獲得するため、付加価値の高い新製品の開発に力を入れる。独メーカーが研究開発に投じる費用は売上高の6%に上るという。

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ただ、業界団体Spectarisのマイ会長は、販売数の伸び悩みをカバーするために高級・多機能化を推し進める戦略には限界があると指摘する。製品当たり価格が1,000~1,200ユーロの遠近両用めがねなど高級化が進んだ結果、「消費者は眼鏡を消費財としてではなく、投資材とみなすようになっており、2つ目の眼鏡を買うことに非常に慎重になっている」と指摘。それよりも、パソコン用、スポーツ用など、特定の用途に機能を限定すると同時に価格を引き下げ、顧客が複数の眼鏡を購入しやすくするよう仕向ける発想の転換が必要だと強調した。

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