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2013/1/30

経済産業情報

製紙業界の苦境続く、12年生産5%減に

この記事の要約

独製紙業界の低迷が続いている。デジタル化の進行で印刷紙の需要が減少しているところに原料価格の高騰が追い打ちをかけているためで、印刷紙の2012年国内生産量(暫定値)は前年比約5%減の900万トンに落ち込んだ。一方、ネット […]

独製紙業界の低迷が続いている。デジタル化の進行で印刷紙の需要が減少しているところに原料価格の高騰が追い打ちをかけているためで、印刷紙の2012年国内生産量(暫定値)は前年比約5%減の900万トンに落ち込んだ。一方、ネット通販市場の拡大を追い風に板紙・包装紙の生産量は2.7%増の1,050万トンに拡大し、印刷紙の不振をほぼ相殺。ただ、供給過剰による値下げ圧力は解消されておらず、売上高ベースでは前年を5%下回る150億ユーロ(同)に後退したという。ドイツ製紙事業者連盟(VDP)のヴィントハーゲン会長が『ハンデルスブラット』紙に明らかにした。

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VDPによると、独メーカーの12年1-10月期生産量は、前年同期比1.1%減の1,890万トン。販売量は同1.4%減の1,890万トンだった。輸出は1.1%増の860万トンに伸びたものの、国内向けが1.8%減の1,030万トンに落ち込み、足を引っ張った。種類別の生産量は印刷紙が5.4%減の7,700万トン、板紙・包装紙が2.4%増の8,810万トン、衛生用紙が2.1%増の1,170万トン、特殊紙が0.4%増の1,270万トンとなっている。

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VDPのヴィントハーゲン会長は、「2013年も紙需要が上向く要因は見あたらない」として指摘。買収・合併や工場閉鎖などの再編が加速するとともに、廃材からのバイオディーゼル生産など、新規事業開拓への動きが強まるとの考えを示した。

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