欧州で現在最も魅力的な不動産市場はミュンヘンであることが、コンサルティング大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)とアーバン・ラント研究所(ULI)が28日に発表したレポート(Emerging Trends in Real Estate Europe 2013)で分かった。ユーロ危機を受けて震源地の南欧諸国の魅力が大幅に低下したなかで、安全な投資先として評価が上がっていることが大きい。2位にはベルリンが入っており、同調査を開始した2004年以降で、ドイツの都市が上位2位を初めて独占した。レポートは不動産専門家500人へのアンケートを元に作成したもので、欧州の大都市27カ所を対象としている。
\3位には昨年10位のロンドンが付けた。不動産価格が安定しているほか、ハイテク・クリエィティブ業界でオフィス需要が高まっていることが評価された格好。4位のイスタンブールまでは今後の見通しが良好な市場とみられているという。
\ミュンヘンは産業構造が安定しているほか、◇オフィスの空き室率が低い◇旅行客の増加を背景にホテル市場が潤っている――ことがプラス要因。ベルリンは旅行客の増加と住宅需要の拡大で評価が押し上げられた。一方、金融都市フランクフルトは11位となり、トップ10から脱落した。金融危機でテナント料が押し下げられていることが響いたという。
\不動産バブルがはじけたスペインなどの南欧諸国に関しては底打ち感が広がっており、回答者の8割が「現在の価格は買い時」とみている。
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