高圧送電網管理・運営会社のテンネットとドイツ北部のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州は、高圧送電網の敷設に住民の出資を募るパイロットプロジェクトを開始する。送電インフラ整備に住民の資本参加を認めるのは全国でも初めてで、今後の成り行きが注目を集めそうだ。ブルンスビュッテルとニービュルを結ぶ電圧380ボルト、全長180キロメートルの送電線が対象となる。
\プロジェクトは同州政府が企画したもので、トールステン・アルビッヒ州首相は「エネルギー転換政策を成功させるためには、送電網の整備が欠かせない。地元住民の理解や協力・支援が得られなければ敷設は進まない」と狙いを説明する。
\出資は1口1,000ユーロで、出資証券は今年夏から地元の金融機関で販売する。出資は「地元民としてプロジェクトに賛同する」という意思表示であるため、参加できるのは個人投資家に限られる。また、自分の住んでいる地域が送電ルートに当たるなど、敷設で直接影響を受ける住民が優先される。さらに、できるだけたくさんの人が参加できるよう、小口での購入希望者を優先する。募集総額は4,000万ユーロ。利回りは現在の金利水準でおよそ4.5~5%となる見通し。
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