ドイツ連邦カルテル庁は1月31日、菓子メーカーが結んでいた計3つのカルテルの捜査が終了したと発表した。捜査は板チョコレート、チョコバー・一口サイズチョコ、菓子製品全般の3分野を対象に実施。最初に通報し捜査に協力したマースを除く計11社と販売責任者に総額6,000万ユーロの課徴金支払いを命じた。
\同庁によると、カルテルに関与した企業は製菓原料である牛乳とカカオの価格が2007年に高騰したことを受けて違法な価格調整や情報交換を開始した。カルテル庁は「企業努力で問題を解決せずに違法行為を行い」、消費者に被害を与えたと強く批判した。
\板チョコ(100グラム)のカルテルは有力ブランド「Milka」を持つクラフトフーズと同「Ritter Sport」を持つアルフレート・リッターが結んでいたもので、07年3月から9月にかけて値上げ計画に関する情報を電話で交換したうえで、08年初頭に15~25%の値上げを実施。小売価格を10~15セント引き上げた。課徴金の額は2,170万ユーロ。リッターは通報して捜査に協力したため、同カルテルでは課徴金支払いを全額免除された。
\チョコバー・一口サイズチョコのカルテルは、リッターとマース、ネスレ・カフェ、Schokoladen GmbH、ハリボの5社が関与していたもので、小売店との価格交渉と値上げに関する情報を交換していた。各社はこれらの製品で08年初頭に約10%の値上げ、ないし製品内容量の削減を実施した。課徴金総額1,950万ユーロ。
\菓子製品全般のカルテルでは食品スーパーとの価格交渉と値上げに関する情報を交換していた。関与していたのはマース、リッター、バールゼン、Griesson de Beukelaer、Storck、Katjes、CFP Brands Süßwarenhandels、Feodora Chocolade、Piasten、Zentisの10社で、課徴金総額は1,960万ユーロに上る。
\課徴金支払いを命じられた11社のうち6社についてはすでに命令が確定。残り5社は裁判所に異議を申し立てることができる。計750万ユーロの支払いを命じられたリッターは、捜査に全面的に協力したことが課徴金額に十分に反映されていないとして提訴の意向を表明している。
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