独商工会議所連合会(DIHK)は12日、会員企業を対象に実施した最新の定期アンケート調査の結果を発表した。昨秋に実施した前回調査では景況感がにわかに悪化したものの、今回は回復。ドイツでは企業景況感が3カ月連続で改善するなど他の経済指標もプラスの方向を向いており、景気の底打ち感は一段と高まりそうだ。連邦経済省は11日発表した月報で「ドイツ経済の見通しは徐々に明るさを増している」との見方を示した。
\DIHKは毎年、年初と初夏、秋の3回、会員企業を対象に大規模な景気アンケート調査を行っており、今回は1月初旬に実施。2万8,000社強から有効回答を得た。業種別の内訳は製造が29%、建設が6%、流通が24%、サービスが41%。
\事業の現状に関する判断では「良い」が前回と同じ38%、「悪い」も横ばいの11%で、これまでの悪化傾向に歯止めがかかった。特に小売業では現状判断が改善、サービス業も横ばいを保った。一方、投資財・中間財業界では悪化した。国内外で投資活動が鈍っていることが響いた。
\今後1年間の事業の見通しに関しては「良い」が20%となり、前回から2ポイント増加。「悪い」は4ポイント減の18%に低下した。ユーロ危機に一服感が出てきたことが大きく、すべての業界で改善している。改善幅は製造業で最も大きかった。ただ、危機が再燃した際に政治が適切な対策を速やかに打ち出せるかや、エネルギー・燃料価格の高騰をリスク要因とみる企業は依然として多いという。
\製造業の輸出見通しは大幅に改善し、「良い」は前回の27%から30%に増加。「悪い」は20%から14%へと減少した。ユーロ圏向け輸出に関しては回復見通しが悪いものの、メーカーはアジアの新興諸国向けが大きく伸びると予想している。米国向けについても財政危機が解決できれば期待を持てるとみている。
\投資計画では額を「増やす」と「減らす」が前回調査と同水準にとどまったものの、「増やす」は東西ドイツの統一(1990年)後初めて、9回連続で「減らす」を上回った。メーカーは競争力の強化に向けて更新需要のほか、生産ラインの近代化や合理化に資金を充てている。投資資金調達のハードルはこれまで同様、高くない。
\雇用計画に関しても「増やす」と「減らす」が前回調査と同じ水準となった(それぞれ15%、14%)。専門人材の不足を背景に企業向けサービス分野では雇用拡大の動きが続いている。
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