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2013/2/13

総合 - ドイツ経済ニュース

フラッキングの許可条件で与党合意、水源保護区は認めない方向

この記事の要約

独与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)が国内でフラッキングを認める条件について合意したことが8日、分かった。今後、法制化を目指す。州の代表で構成される連邦参議院(上院)では反対が予想され […]

独与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)が国内でフラッキングを認める条件について合意したことが8日、分かった。今後、法制化を目指す。州の代表で構成される連邦参議院(上院)では反対が予想されることから、9月の連邦議会(下院)選挙前に法案が成立するかは不透明だ。

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フラッキングは頁岩(シェール)層に貯留する天然ガス(シェールガス)・石油(シェールオイル)の採掘で主に使われる手法。化学物質と砂を混ぜた水を高圧で地中に注入してシェール層に割れ目(フラクチャー)を作り、内部にあるガスなどを抽出する。

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低コストで効率よくガスを採取できるメリットがあり、同技術の利用で先行する米国ではガス価格が低下し、産業競争力が今後高まることが予想されている。

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このため、欧州でもフラッキングの解禁を求める声が産業界から起こっており、石油・天然ガス開発を手がける化学大手のBASFは埋蔵量が多いとみられるドイツ、フランス、ポーランドでのシェールガス開発に意欲を示している。

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ただ、地下水汚染などを引き起こすことが懸念されており、連邦環境省(BMU)と連邦環境庁(UBA)は昨年9月、掘削できる地域や規模に厳しい条件を付けたうえで認めることが望ましいとの報告書を発表。与党はこれを踏まえ、水源保護区でのフラッキングは認めない方向を打ち出した。

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UBAによると、ドイツには国内需要の推定13年分に相当するシェールガスが埋蔵されているものの、その多くは水源保護区にあるという。

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