ドイツのアンネッテ・シャヴァン連邦教育・研究相(キリスト教民主同盟=CDU=)は9日、メルケル連邦首相(CDU)と共同で記者会見を開き、即日付で辞任すると発表した。33年前に執筆した博士論文の不正引用問題を審査したデュッセルドルフ大学から博士号をはく奪されたことを受けた措置。同国では9月に連邦議会(下院)選挙が予定されており、現職にとどまると政権運営や党に悪影響が出ると判断し辞任に踏み切った。後任にはニーダーザクセン州のヨハンナ・ヴァンカ学術相(CDU)が14日付で就任する。
\シャヴァン教育相は1980年、「人格と良心」という論文で博士号を取得した。だが、2012年5月になって他人の論文から出所を記さずに引用していた疑惑が浮上。論文を再審査したデュッセルドルフ大は今月5日、博士号のはく奪を決定した。
\同教育相はこれを不服として裁判で争う意向だ。裁判を行うと公判や判決のたびに大きく報道され、政権運営などに悪影響が出るため、辞任を決断した。
\メルケル政権ではグッテンベルク前国防相も博士論文の盗作問題で11年に辞任した。また別の理由でユング国防相(09年)、ブリューデルレ経済相(11年)、レットゲン環境相(12年)が辞任している。
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