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2013/2/13

企業情報

Wacker Chemie AG―12年は70%の最終減益に―

この記事の要約

化学大手の独Wacker Chemie(ミュンヘン)が7日発表した2012年12月期決算の最終利益は1億700万ユーロとなり、前期の3億5,600万ユーロから70%減少した。シリコン、ポリマーなどの化学事業は好調だったも […]

化学大手の独Wacker Chemie(ミュンヘン)が7日発表した2012年12月期決算の最終利益は1億700万ユーロとなり、前期の3億5,600万ユーロから70%減少した。シリコン、ポリマーなどの化学事業は好調だったものの、太陽電池と半導体の原料である多結晶シリコン事業が足かせとなった格好で、売上高と営業利益(EBITDAベース)もそれぞれ5.7%減の46億3,000万ユーロ、28.7%減の7億8,700万ユーロに低下。売上高営業利益率(同)は前期の22.5%から17.0%に落ち込んだ。

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多結晶シリコンは太陽電池向けも半導体向けも需要が低迷し、価格が下落。同事業の売上高は前期比22%減の11億3,600万ユーロ、EBITDAは同43%減の4億2,700万ユーロに後退した。ヨアヒム・ラオフート財務担当取締役はロイター通信に対し「多結晶シリコン価格は底を打ったもようだが、だからと言って業績が今後、大幅に改善するとは現時点では言えない」と先行きに慎重な立場を示した。

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同社は利益率の低下を受けて今年、投資予算を昨年の半分の約5億5,000万ユーロに引き下げる意向だ。開設をすでに1年半、先延ばししている米テネシー工場についてはさらに15年半ばまで延期する。

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