新規特許薬の価格取り決めに関する法令(Amnog)をめぐる係争で、ベルリン・ブランデンブルク州社会裁判所は11日、上市済みの特許薬を査定の対象にすることを差し止める仮処分決定を下した(訴訟番号:L7KA106/12KLER)。スイス製薬大手ノバルティスの申し立てを受けたもので、本訴訟で判決が出る3月末まで査定手続きは凍結される。11日付『フランクフルター・アルゲマイネ』が報じた。
\Amnogは膨張の一途をたどる医療費を抑制する目的で2011年1月に施行された。新たに上市された特許薬を対象に、第3者機関が薬の効能を評価・査定したうえで、既存薬より治療効果が高いと判断された新薬についてメーカーと公的健保が交渉で薬価を決定する仕組み。
\査定手続きを担当するG-BA(医師と健保の代表からなる合同委員会)は昨年6月、Amnog施行以前に上市されていた特許薬にも査定の対象を広げ、糖尿病治療薬メーカー4社に対し、同年末までに臨床データを提出するよう求めた。これに対し、対象の医薬品のうち2種類を製造するノバルティスは「すでに発売済みの製品を事後評価するのは不当だ」としてデータ提出を拒否していた。
\社会法典によれば、査定手続きへの異議申し立ては、調停で当事者の合意が得られなかった場合に限られる。それにもかかわらず州社会裁判所はノバルティスの見解を支持して手続き凍結の仮処分決定を下しており、本案訴訟でも同様の判決が下される可能性が高い。G-BAの関係者は「上市済み薬が査定から外れれば、健保が数十億ユーロ規模のコスト増を余儀なくされることは確実」として懸念を表明。連邦政府に対し、法令を早急に見直すよう求めた。
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