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2013/2/20

経済産業情報

VWのピエヒ監査役会長などに市場操作ほう助容疑

この記事の要約

自動車大手のポルシェがフォルクスワーゲン(VW)に買収を仕かけた際にポルシェの監査役を務めていた全役員と広報担当取締役を対象に、シュツットガルト検察当局が市場操作ほう助容疑で捜査を進めていることが12日、分かった。捜査対 […]

自動車大手のポルシェがフォルクスワーゲン(VW)に買収を仕かけた際にポルシェの監査役を務めていた全役員と広報担当取締役を対象に、シュツットガルト検察当局が市場操作ほう助容疑で捜査を進めていることが12日、分かった。捜査対象にはVWのフェルディナンド・ピエヒ監査役会長(ポルシェの監査役兼任)も含まれる。

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ポルシェは2005年にVW株を20%弱取得。その後、出資比率を高めていき、2009年1月に約51%を確保し子会社化した。さらに75%超の取得を目指したが、投機が裏目に出て財務が大きく悪化したため、逆にVWグループの傘下に入ることになった。

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ポルシェはVW株を買い増す際に、出資比率を75%超に引き上げる考えはないとの立場を打ち出していた。だが、08年10月26日付のプレスリリースで、VWに対する出資比率を75%超に引き上げ支配契約を結ぶとの意向を表明。それまでの立場を覆した。

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検察当局はこれが違法な市場操作に当たるとして、当時のヴェンデリン・ヴィーデキング社長とホルガー・ヘルター財務担当取締役を昨年12月に起訴した。ピエヒ氏をはじめとする監査役(当時)はこれをほう助していた疑いが持たれている。

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ピエヒ氏はVWの元社長で、2000年の退任後に監査役会長に就任した。社内での影響力は絶大で、VWのピシェツリーダー前社長が06年に突然、辞任したのは同監査役会長の意向に沿わなかったためとみられる。仮に有罪判決が下り監査役会長を辞任すると、VWの役員人事や経営方針に影響が出る可能性もある。.

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