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2013/2/27

企業情報

Infineon Technologies AG―薄型パワー半導体生産開始―

この記事の要約

半導体大手の独Infineon(ミュンヘン)は19日、墺フィラッハ工場で300ミリ薄型ウエハーの量産を開始したと発表した。同ウエハーはパワー半導体「CoolMOS」向けの基板となるもので、マレーシア・マラッカの後工程工場 […]

半導体大手の独Infineon(ミュンヘン)は19日、墺フィラッハ工場で300ミリ薄型ウエハーの量産を開始したと発表した。同ウエハーはパワー半導体「CoolMOS」向けの基板となるもので、マレーシア・マラッカの後工程工場で個々のチップに加工され完成品として出荷される。300ミリウエハーは従来の200ミリウエハーに比べ1枚当たりチップ生産量が2.5倍に拡大するためコスト効率が高まる。

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Infineonはパワー半導体の開発に力を入れている。同半導体は直流・交流変換、変圧、バッテリー充電、LSI作動など、電源(電力)の制御に用いられる半導体で、再生可能エネルギー発電やハイブリッド車・電気自動車に投入。これら製品の市場拡大に伴い確実な成長が見込まれている。

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Infineonが開発したパワー半導体「CoolMOS」では電子がシリコンの中を通過する格好となるため、薄くなるほど性能が向上する。同技術を300ミリウエハーに転用することは技術的には可能なものの、コストが高いため商業ベースに乗せることは困難だった。

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同社はこの壁を超えるために研究開発を続け、商業ベースに乗る水準までコストを引き下げることに成功。IT専門サイトgolem.deによると、薄型ウエハーの厚さは通常のウエハーより150マイクロメートル薄い200マイクロメートル(0.2ミリメートル)という。

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今後はマラッカとフィラッハに分散しているチップ生産工程をドレスデン工場に移管し、フルオートメーションの生産ラインを稼働させる計画だ。

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