フランクフルト証券取引所を運営するDeutsche Boerseは20日、アジア事業を本格的に強化する方針を明らかにした。欧州や米国では市場成長が当面、見込めないためで、アジアでの売上高を今後3~5年で1億ユーロ以上、拡大するとしている。
\足元の欧州では銀行の自己資本規制強化を踏まえて多くの銀行が資産の圧縮に取り組んでおり、株式などの自己勘定取引をすでに停止した。今後はドイツを含む欧州連合(EU)の一部加盟国が金融取引税を導入するため、課税を嫌ってフランクフルト市場からロンドン、ルクセンブルク市場に投資資金が流出する懸念もある。同社では株式売買高が2005年の水準、先物取引高も07年の水準まで落ち込んでおり、アジアの成長を取り込むことは緊急の課題となっている。
\アジア事業の強化は内部成長と提携を通して進めている。買収を行うことが実質的に不可能なためだ。
\事業拡大資金は7,000万ユーロ規模のコスト削減プログラムを通して確保する考えで、管理職50人を含め従業員250人を16年までに整理する。
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