被用者は育児休暇(Elternzeit)の期間中、勤務時間の短縮とその割り振りを雇用主に申請できる。これは育児休暇法(BEEG)15条5項第1文に明記された権利である。同第2文には被用者と雇用主が申請から4週間以内に合意するルールが定められている。
\さらに15条6項には、4週間以内に合意が成立しない場合、被用者は2度に限り短縮を請求できると記されている。この条項に関する係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が19日に判決(訴訟番号:9 AZR 461/11)を下したので、ここで取り上げてみる。
\裁判を起こしたのはフルタイム社員として技術コンサルティング会社に勤務していた女性。同女性は2008年6月5日に出産し、差し当たり2年間の育児休暇を取得した。雇用主との間では12月3日になって勤務時間を09年1月1日から5月31日までは週15時間、6月1日から育休が終了する10年6月4日までは同20時間とすることを取り決めた。
\その後、10年4月7日付の文書で育休期間を1年間、延長することを伝えるとともに、6月5日から11年6月4日までの勤務時間を引き続き週20時間とすることを申請。雇用主がBEEG15条6項の規定を根拠に3度目の申請は受け入れられないと拒否したため提訴した。
\原告は1審で勝訴したものの、2審で敗訴。最終審のBAGは逆転勝訴を言い渡した。判決理由で裁判官は、被用者は勤務時間の短縮を2度請求できるとしたBEEG15条6項の規定について、「この2度の請求には(BEEG15条5項第2文に基づき)被用者と雇用主が取り決めた労働時間の削減合意が含まれない」との判断を提示。被告企業に対し原告の要求を受け入れるよう命じた。
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