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2013/5/29

総合 - ドイツ経済ニュース

貿易摩擦の対話解決で独中首脳が一致

この記事の要約

ドイツと中国の首脳会談が26~27日にかけてベルリンで行われ、欧州連合(EU)と中国の貿易摩擦を、対話を通して解決していくことで意見が一致した。メルケル首相は共同記者会見で中国製太陽光発電パネルと通信設備のダンピング容疑 […]

ドイツと中国の首脳会談が26~27日にかけてベルリンで行われ、欧州連合(EU)と中国の貿易摩擦を、対話を通して解決していくことで意見が一致した。メルケル首相は共同記者会見で中国製太陽光発電パネルと通信設備のダンピング容疑問題に触れ、「単に相互の関税引き上げに帰結するような対立に陥ってはならない」と明言。李克強首相はEUが反ダンピング税を導入すれば、中国の雇用が脅かされるだけでなく欧州の企業と消費者も痛手を受けるとの見方を示した。

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欧州委員会は8日、中国製の太陽光パネルに暫定的な反ダンピング税を課す方針を固めた。加盟国の意見を聞いたうえで、6月5日までに最終決定する計画だ。中国製の通信設備についても反ダンピングおよび反補助金調査を開始する方針を15日に打ち出している。

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ドイツのレスラー経済相は27日、太陽光パネルへの反ダンピング関税に反対する立場を欧州委に正式に伝えたことを明らかにした。28日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の報道によると、EU27カ国のうち17カ国が反対しているという。

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こうした事情を背景にカレル・ドゥグヒュト欧州委員(通商担当)は27日、中国商務部の鐘山副部長と非公式に会談。中国製太陽光パネル問題を、すでに反ダンピング税を課した米国も交えて協議していく可能性を示唆した。ただ同時に、EU加盟国の多くが反ダンピング税導入に反対する背景には中国政府の圧力があるとも述べ、不快感を示した。

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欧州委は仮に全加盟国が反対したとしても、暫定的な反ダンピング税を課す権限を持つ。ドゥグヒュト委員は28日、欧州議会の通商委員会で「中国に屈しない」と強調しており、ダンピング課税に踏み切る可能性が高まっている。

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