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2013/12/4

経済産業情報

ドイツテレコムの競合が高速ブロバン整備を強化

この記事の要約

ドイツ地域電話会社連合会(Breko)は11月28日の年次総会で、光ケーブルによる高速ブロードバンド網整備に向け今後5年間で91億ユーロを投資する方針を明らかにした。VDSL2ベクタリング技術によるインフラ構築を進めるド […]

ドイツ地域電話会社連合会(Breko)は11月28日の年次総会で、光ケーブルによる高速ブロードバンド網整備に向け今後5年間で91億ユーロを投資する方針を明らかにした。VDSL2ベクタリング技術によるインフラ構築を進めるドイツテレコムに対抗するもので、ブロバン整備が遅れている地方小都市を中心に、光ケーブルを建物・各住宅まで直接引き込む(FTTH/B)方式で通信網を整備する。敷設完了後には1,100万世帯が超高速通信サービスを利用できるようになる見通しだ。ただ、インフラ敷設を計画通りに実現するためには、インフラ構築投資を促進する政治的な枠組みが必要だとしている。

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Brekoが特に懸念しているのは、欧州連合(EU)の欧州委員会が先ごろ打ち出したEUレベルの高速ブロバン普及拡大に向けた規制だ。欧州委は国際的に事業を展開する電気通信大手がEU外の競合との競争で不利にならないよう、投資しやすい条件を整えるための枠組みを提案している。

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同規制はドイツテレコムのインフラ投資に有利に働くものの、競合はその分不利な立場に置かれる、とBrekoは批判している。独インフラ・通信サービス学術研究所(WIK)がBrekoの委託を受けて行った試算によると、欧州委の規制が導入された場合、ドイツテレコムの競合の投資規模は91億ユーロから49億ユーロに縮小し、利用可能世帯数も1,200万から220万に減少するという。

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