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2014/4/30

経済産業情報

海洋墜落機の位置特定へ、エアバスが技術開発

この記事の要約

海洋に墜落した航空機の位置をすみやかに特定する技術を、欧州航空機大手のエアバスが開発したもようだ。26日付『ヴェルト』紙が報じたもので、すでにテストを実施。将来的に航空機や船舶向けにライセンス販売する意向という。 同社が […]

海洋に墜落した航空機の位置をすみやかに特定する技術を、欧州航空機大手のエアバスが開発したもようだ。26日付『ヴェルト』紙が報じたもので、すでにテストを実施。将来的に航空機や船舶向けにライセンス販売する意向という。

同社が開発したのはSYLO(System for Wreck Localization)という名の位置発信システム。機体が水中に沈むと火薬の爆破圧で信号発信機2基が機外に出される。そのうちの1つは墜落した機体にとどまり、もう1つは海面に浮上する。浮上した発信機は海流で流されるため、捜索隊は発信機の発見後に海流を手がかりに機体の位置を推定する。SYLOの重量は9キロ弱。深海に沈んでも作動するよう設計されている。

エアバスはエールフランス機が大西洋に墜落した2009年の事故を受けて開発に着手した。同事故では機体の破片が翌日に見つかったものの、海底に沈んだ本体(ブラックボックス搭載)の発見には2年を要したため、本体の位置をすみやかに特定できる技術の開発が必要と判断した。

SYLOは3月のマレーシア航空機事故の直前に開発作業が終了した。市場投入するためには当局の承認を受ける必要がある。