電機大手のシーメンス(ミュンヘン)が補聴器事業の売却に向けて投資会社などと協議を進めているもようだ。従来は同事業を新規株式公開(IPO)する意向だったが、市場環境の悪化を受けて売却方針に転じたという。各種メディアが消息筋の情報として報じた。
補聴器は中核事業に属さず、以前から撤退方針を示していた。ただ、同事業の業績が好調なことから、放出を急がず手元に残していた。
昨年就任したケーザー社長はシーメンス全体の事業再編計画を打ち出している。補聴器事業についてはIPO方針を今年5月に表明したが、通販大手ツァランドと、同社の筆頭株主でインターネット関連企業の起業を支援する投資会社ロケット・インターネットの株価が今月上旬のIPO直後に公開価格を下回るなど市場環境の悪化が鮮明になったことを受けて、IPO計画を棚上げにしたもようだ。
同事業の買収には補聴器メーカーのGNリサウンドや投資会社EQT、パーミラが関心を示しているという。