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2015/5/20

総合 - ドイツ経済ニュース

無人攻撃機開発で独仏伊が基本合意

この記事の要約

ドイツ、フランス、イタリアの3カ国は18日、攻撃能力のある軍用無人機(ドローン)を共同開発することで基本合意した。無人攻撃機を欧州で開発するのは初めて。独自開発により米国製ドローンへの依存度を引き下げる狙いだ。 3カ国は […]

ドイツ、フランス、イタリアの3カ国は18日、攻撃能力のある軍用無人機(ドローン)を共同開発することで基本合意した。無人攻撃機を欧州で開発するのは初めて。独自開発により米国製ドローンへの依存度を引き下げる狙いだ。

3カ国はまず、無人攻撃機の技術的な問題を2年間、検討する考えで、それぞれ2,500万ユーロを拠出する。遅くとも2025年までに投入できるようにする方向という。スペインとポルトガルも参加の意向を示している。

ドイツは米国の無人偵察機「グローバルホーク」をベースに欧州航空宇宙大手のEADS(現エアバスグループ)と米ノースロップグラマンが共同開発した「ユーロホーク」の投入を目指したが、欧州航空安全局から飛行許可が下りず、2013年に断念した経緯がある。ドイツは欧州諸国で初めて、ユーロホークを導入する予定だった。

ドイツが仏伊と共同で独自の軍用無人機を開発するのはこれを受けた措置だ。ただ、ユーロホークと異なり攻撃能力を持たせる方針のため、大きな波紋を呼ぶ可能性が高い。ドイツのフォンデア・ライエン国防相は、米国のようにテロリストの殺害に投じる考えはなくあくまで地上軍の支援が目的だと強調しているものの、反対意見は野党のほか、与党の社会民主党(SPD)内でも強い。