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2015/8/5

経済産業情報

陸上風力発電の新設容量、上期は34%減に

この記事の要約

独風力エネルギー全国連盟(BWE)が7月30日発表した陸上風力発電の2015年上半期の国内新設容量(リパワリングを除く)は1,093メガワット(MW)となり、過去最高となった前年同期(1,659MW)を34%下回った。B […]

独風力エネルギー全国連盟(BWE)が7月30日発表した陸上風力発電の2015年上半期の国内新設容量(リパワリングを除く)は1,093メガワット(MW)となり、過去最高となった前年同期(1,659MW)を34%下回った。BWEのヘルマン・アルバース会長は、風力が強く設置作業に向かない日が多かったことが響いたと説明。15年通期では4,000~4,500MWに達し、昨年記録した過去最高(4,750MW)に近づくとの見通しを示した。

ドイツでは再生可能エネルギー法(EEG)の改正を受けて今年から、陸上風力発電の国内新設容量の上限を原則として年2,500MW(リパワリングを除く)とするルールが導入された。再生可能エネルギー電力の発電量が急速に増えると送電網が対応できないという事情があるためで、同上限枠を超える分については助成額(電力の買い取り価格)が大幅に引き下げられる。昨年はこれを見越して陸上風力発電所を新設する動きが加速した。

それにもかかわらず今年も昨年の近い高い新設能力が予想されるのは、新規設置を入札によって決める制度が17年から導入されるためだ。同制度の詳細は発表されておらず不透明感が高いことから、確実に利益を稼げる現行助成ルールの駆け込み利用が多くなっている。