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2015/11/11

経済産業情報

送電料金が大幅上昇見通し、東部の産業向けは20%以上

この記事の要約

ドイツの送電料金は来年、大きく上昇する見通しだ。連邦ネットワーク庁の文書をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が7日報じたもので、東部地区の産業向け電力は平均20%以上、上昇。一般消費者向けも平均で約6%上がり、1 […]

ドイツの送電料金は来年、大きく上昇する見通しだ。連邦ネットワーク庁の文書をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が7日報じたもので、東部地区の産業向け電力は平均20%以上、上昇。一般消費者向けも平均で約6%上がり、1キロワット時当たり7.27セントにとなる。送電料金は電力料金の20%以上を占める。

送電料金が大きく上昇する最大の原因は、発電量が天候に大きく左右される再生可能エネルギー電力の需給調整メカニズムが整っていないためだ。送電事業者は電力の需給調整のために火力発電所に発電量の引き上げや引き下げを毎日のように要請。これも伴うコストは昨年およそ2億ユーロに上った。発電量が需要を上回る風力・太陽光発電所から販売できない電力を買い取る制度も8,300万ユーロのコスト要因となった。

こうした状況は今年に入って一段と悪化。特に送電網の不足が著しい東部地区で深刻という。

送電料金は長期的にも上昇基調が続くとみられる。高圧送電線敷設に対する住民の反対運動を受けて、政府与党が先月、送電線の地中設置方針を取り決めたためだ。最大80億ユーロと見積もられる同コストは送電料金に転嫁される。