スマートホン上の手続きだけでオンライン振替口座を開設できるサービスを手がける新興企業のナンバー26(ベルリン)は3日、欧州6カ国に同日付で進出すると発表した。共同設立者のファレンティン・シュタルフ最高経営責任者(CEO)は「伝統的な銀行はその商品で若い世代をがっかりさせてきた」と述べ、新規顧客の獲得に自信を示した。
ナンバー26は2013年設立のフィンテック(金融関連のITスタートアップ企業)で、顧客はスマホアプリの操作だけで同社に振替口座を開設できる。所要時間は8分。口座管理手数料や引き出し料金が一切かからないことから、顧客数はすでに8万人を超えた。預金は独預金保険基金によって全額、保証されている。
これまではドイツ本国とオーストリアで事業を展開してきた。3日から新たにフランス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、スペイン、スロバキアの6カ国でも無料振替口座サービスを開始した。マキシミリアン・タイエンタール最高財務責任者(CFO)はこれら6カ国の銀行について、顧客対応やサービスの質が悪く金融商品も不当に高いと指摘。煩雑な事務手続きがなく利便性も高い同社のサービスを提供すれば、顧客を獲得できるとの見方を示した。将来的には英国など他の欧州連合(EU)加盟国にも進出する意向だ。