フィンテックへの投資、決済と融資仲介に集中

ITを活用した金融分野のスタートアップ企業であるフィンテックへの投資は決済と融資仲介(クラウドインベスティング)の2分野に集中している。バルコフ・コンサルティングのデータをもとに『南ドイツ新聞(SZ)』が報じた。両分野ではフィンテックの経営破たんも目立つという。

ドイツのフィンテックへの投資額は2012年時点で3,600万ユーロにとどまった。昨年は12月中旬時点で2億7,600万ユーロに達しており、わずか3年で約8倍に拡大した計算だ。

インターネットのプラットホームで融資を行いたい人と受けたい企業などを仲介するクラウドインベスティングの事業者数は50社超と多い。だが、15年には同分野の企業13社が経営破たんした。融資先が事業に成功するかどうかを融資時点で判断することは極めて難しいと言う事情がネックとなり、市場が思ったほど拡大していないことが背景にあるようだ。

決済サービス分野でも昨年はフィンテック9社が経営破たんした。同分野では米ペイパルの存在感が大きすぎて、新規参入が可能なのはスマホ決済などのニッチな分野に限られることが響いている。通販大手オットーは利用者が少ないことを理由にスマホ決済サービス子会社ヤピタル(Yapital)から撤退することを明らかにした。ドイツではデビットカード決済の利便性と安全性が高いため、現時点でスマホ決済が成長する余地は小さいようだ。

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