電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)がスペインの風力発電タービン大手、ガメサを買収する方向のようだ。消息筋の情報としてスペインのニュースサイト「エル・コンフィデンシャル」が報じたもので、シーメンスはすでにガメサの筆頭株主である現地エネルギー大手イベルドローラと協議を進めているという。シーメンスは報道内容へのコメントを控えているものの、ガメサはシーメンスと協議していることを認めた。ガメサを買収すると、シーメンスはデンマークのヴェスタスを抜いて風力発電タービンの世界最大手メーカーとなる。
エル・コンフィデンシャルによると、シーメンスは株式公開買い付け(TOB)で買収することを検討しているという。ガメサの時価総額は現在40億ユーロ強。イベルドローラは同社株19%を保有している。
風力発電タービン市場は現在、低迷している。石油価格の大幅下落を受けて火力発電のコストが低下し、投資家が風力発電パークの建設を見合わせているためだ。
シーメンスと競合の米ゼネラル・エレクトリック(GE)ではこうした状況を受けて、風力発電設備事業の売上高が昨年10-12月期に落ち込んだ。ただ、シーメンスは風力タービンの需要減を一過性の現象とみており、ケーザー社長は先ごろ、需要は近い将来に回復するとの見方を示した。