ジカ熱ワクチン開発にサノフィが着手

製薬大手の仏サノフィは2日、ジカ熱の予防ワクチン開発を開始したと発表した。感染による被害が中南米で急速に広がっているためで、同社はワクチン分野で培ったノウハウを生かして早急に投入できるようにする考えだ。英グラクソ・スミスクラインもワクチン開発の検討に入った。

ジカ熱は蚊に刺されることで発症するウイルス性の感染症。デング熱など蚊が媒介する他のウイルス感染症に比べると症状は軽いものの、妊婦が感染すると胎児の脳の発達が阻害され「小頭症」の新生児が生まれる恐れがある。ブラジルではジカ熱に起因するとみられる小頭症の新生児の誕生が昨年10月からこれまでに約4,000件に達しており、同国で8月に開催される夏季オリンピックに影を落としている。事態を重く見た世界保健機関(WHO)は1日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

サノフィはデング熱用のワクチン開発などで得たノウハウを活用できるとみて開発に乗り出した。

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