EEWエナジー―中国企業が買収、過去最大の14億ユーロで―

スウェーデン系の投資会社EQTは4日、ゴミ発電子会社の独EEWエナジー・フロム・ウエイスト(ヘルムシュテット)を中国の北京控股集団に売却することで合意したと発表した。取引金額は14億3,800万ユーロで、中国資本による独企業の買収で過去最大。売却手続きは貿易政令(AWV)に基づく審査を経て2月末に終了する見通しという。

EEWは欧州有数のごみ発電事業者で、ドイツ、ルクセンブルク、オランダの3カ国で事業を展開している。計18の施設を運営し、電力のほか、排熱、蒸気を生産する。従業員数は1,050人、2014年の売上高は5億3,900万ユーロ。

同社はもともと独エネルギー大手エーオンの完全子会社だったが、13年3月にEQTが51%の資本を獲得し合弁会社となった。エーオンがその後、組織再編の一環で同合弁からの撤退方針を打ち出したため、EQTは15年4月に残り49%を譲り受け完全子会社化した。

北京控股は北京市政府系の持ち株会社で、天然ガス、水道、廃棄物処理、ビールなどの分野に出資している。中国は深刻な環境汚染問題を抱えていることから、同国の企業はドイツの高い環境技術に関心を持っており、北京控股はEEWが持つ技術・ノウハウを吸収する考えとみられる。

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