独銀2位のコメルツ銀行がマイナス金利の適用対象とする顧客の範囲を大幅に拡大する。欧州中央銀行(ECB)が民間金融機関に対するマイナス金利幅を拡大したことを受けた措置で、これまで大手企業に制限していたマイナス金利を中堅以下の企業にも適用していく。広報担当者の確認を得た情報として9日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
欧州中銀は2014年6月、低インフレ打開策の一環として市中銀行が手元資金をECBに預け入れる際の金利(中銀預金金利)をマイナスとする政策を開始した。マイナス金利幅は当初0.1%だったが、効果が十分でないためその後、拡大。昨年12月には0.2%から0.3%へと引き上げられた。
コメ銀は14年12月、マイナス金利の適用を開始した。対象となる顧客は年商2億5,000万ユーロ以上の企業で、ごく一部に限られていた。
だが、ECBが昨年12月にマイナス金利幅を拡大したことを受けて同基準額を今回、年商250万ユーロへと大幅に引き下げた。かなりの数の企業が影響を受けることになる。マイナス金利という言葉はイメージが悪いため、同行は「個別の預金料金(individuelle Guthabengebuehr)」という表現を用いている。
コメ銀は同料金を適用することで企業が当座口座にため込んだ過剰な資金を他の分野に振り向けるよう促す考えだ。ただ、他社買収などのために口座にあえて多額の預金を残す企業もあるという。