ドイツ連邦環境省は3日、温暖化ガスの国内排出量が2014年は二酸化炭素(CO2)換算で前年比4.6%減の9億190万トンとなり、数年ぶりに大きく縮小したと発表した。発電と暖房部門が排出減に貢献。交通と農業の2部門では排出量が増加した。数値は傘下の連邦環境庁(UBA)のデータに基づくもので、欧州連合(EU)の欧州委員会にこのほど提出した。
14年の排出削減量は計4,330万トンだった。このうち発電部門は2,090万トン、暖房は同2,080万トンを占めた。発電部門で排出量が減少したのは再生可能エネルギー発電が増えるとともに火力発電が減ったため。
交通部門の排出量は1.2%増の1億6,100万トンに拡大した。自動車の交通量増加が背景にあり、UBAのマリア・クラウツベルガー長官は、公共交通機関や電気自動車(EV)、自転車の利用促進などを通して排出量を押し下げていく考えを示した。
農業部門の排出量は6,600万トンで、2.2%増加した。石灰・尿素肥料の増加や農作物を原料とするバイオ燃料の生産増、EUの牛乳生産割当削減・廃止に伴う乳牛飼養の増加が響いた。