実質賃金が大幅上昇、低インフレなどで

ドイツ連邦統計局が4日発表した2015年の実質賃金(暫定値)は前年比で2.5%増加し、1992年以来の大きな伸びを記録した。名目賃金の伸び率が2.8%と比較的大きかったほか、インフレ率が0.3%にとどまったことで、水準が押し下げられた格好。実質賃金の増加率は名目賃金増加率からインフレ率を引いて算出する。

名目賃金は全国全業界一律の法定最低賃金(時給8.5ユーロ)が15年1月1日に導入されたことで押し上げられた。それまで8.5ユーロ未満で働いていた被用者の賃金が一気に上昇したためで、非熟練労働者の名目賃金は4.1%上がった。被用者の税金・社会保険料納付義務が免除される低賃金労働「ミニジョブ(月収450ユーロ以下)」の従事者では上昇率が4.7%に上った。

地域別でみると、東部地区では上げ幅が3.9%と高かった。同地区には低賃金で働く被用者が相対的に多いという事情が背景にある。西部地区は同2.5%だった。

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