バイエル―精密農業の新興企業買収―

化学大手の独バイエル(レバークーゼン)は15日、精密農業分野の独新興企業プロプラント・ゲゼルシャフト・フュー・アグラール・ウント・ウンヴェルトインフォマティクを買収したと発表した。農業デジタル化事業を強化することが狙い。買収金額は公表しないことで合意した。

プロプラントはミュンスター大学地理情報学研究所からのスピンオフとして設立された企業。同社のソフトウエアを用いると、農家は地質や天候など幅広い分野の情報に基づいて各農地に見合った種子、施肥量、農薬散布時期などを適切に決定できるようになる。バイエルは今後、プロプラントの社名をバイエル・デジタル・ファーミングへと改める。

プロプラントの一部事業は今回の買収対象とならなかった。これらの事業は今後、新会社プロプラント・アグラール・ウント・ウンヴェルトインフォマティクが継続展開する。

バイエルは精密農業事業を強化しており、昨年はカナダの農地分析ソフトメーカー、ゾナーを買収した。同社ソフトでは過去30年間の衛星画像をもとに農地を分析。各農地内の地質の違いも踏まえたうえで農家に適切なアドバイスを行う。カナダ、米国、ブラジル、フランス、ドイツ、ウクライナ、ロシアの農地が同サービスの対象となる。

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