独銀2位のコメルツ銀行(フランクフルト)が12日発表した2015年12月期決算の純利益は10億6,200万ユーロとなり、前期(2億6,600万ユーロ)の4倍に拡大した。経営再建を着実に進めてきたことが奏功。4月中旬に退任するマルティン・ブレシング頭取は「2015年は我々の戦略が正しくまたそれが首尾よく進められたことを示す年となった」と感慨を示した。経営陣は8期ぶりに復配する意向で、株主総会で配当20セントを提案する。
コメ銀はリーマンショックの発生した08年、経営不振のドレスナー銀行を保険大手アリアンツから買収することで合意。買収と金融危機の影響で財務基盤が悪化したため、国から180億ユーロ以上の資本注入を受けた。
ブレシング頭取は08年に就任し、ドレ銀の統合や事業再編、財務力の強化に取り組んできた。この間、厳しい局面に何度も直面してきたが、課題をその都度クリア。14年12月期も純利益を6倍に拡大するなど、業績を回復させてきた。
15年12月期は貸倒引当金が前期の11億4,400万ユーロから6億9,600万ユーロへと大きく減少。手数料収入と金利・特定取引収益が増えたこともあり、営業利益は前期(6億8,900万ユーロ)の2.8倍の19億900万ユーロに拡大した。
狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は12.0%で、前期の9.3%から2.7ポイント上昇した。総資産に対する自己資本の比率であるレバレッジ比率も前期の3.6%から4.5%へと改善している。