連邦環境庁(UBA)は15日、家電の使用期間に関する調査レポートを発表した。UBAは家電の買い替えを促進するためにメーカーが製品寿命を意図的に短くしているとの議論があるにもかかわらず、そうした主張を裏付けるデータがないことから、家電製品の使用期間と故障が発生するまでの期間に関する調査を環境研究所とボン大学に委託していた。調査の結果、メーカーが意図的に故障しやすい製品を製造している事実は確認できなった。
同レポートによると、メーカーはターゲットとする顧客層、製品の使用分野および製品ライフサイクルを踏まえて製品寿命を設定。これが使用期間の短期化の一因となっているもようだ。例えばテレビでは製品発売から1年以内に新技術搭載の製品が登場し旧製品が陳腐化することから、多くの消費者は手持ちのテレビが壊れていなくても新製品を購入しており、メーカーは耐用年数の長い製品を生産しなくなっている。
こうした傾向は大型白物家電でも確認されており、製品が壊れていないにも関わらず買い替えた消費者の割合は冷凍庫で2004年の42%から12/13年の52%へと増加。冷蔵庫と食洗器でもそれぞれ38%から43%、18%から24%へと増えた。携帯電話機では2年以内に買い替える人が42%に達し、5年以上使用する人は20%にとどまる(13年のデータ)。
一方で、家電の寿命(購入から故障までの期間)が予想よりも短かったと回答する消費者が30%と少なくないことも、今回の調査で分かった。UBAは各製品の想定寿命をメーカーが明らかにしていないのは問題だと指摘。想定寿命の表示を義務化することは有意義だとの見解を示した。
また、製品を長く使用できる環境を整えることも重要だとして、◇メーカーは修理しやすいデザインを採用する◇独立系の修理事業者であっても交換部品を簡単に入手できるようにする――などを提言した。