自動車のリコール、15年は11年の3倍に

ドイツの自動車リコール(無料の回収・修理)台数は昨年166万件となり、11年(56万台)の3倍に拡大した。連邦陸運局(KBA)の内部データをもとに12日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、ベルギッシュ・グラッドバッハ経済単科大学自動車マネジメントセンターのシュテファン・ブラーツェル所長は「リコール台数は憂慮すべき規模に達した」との見方を示した。今年はディーゼル車排ガス不正問題に伴うフォルクスワーゲン(VW)グループの大規模なリコールが行われるため、台数はさらに拡大する見通しだ。

ドイツのリコール台数は11年から13年にかけては比較的、少なかったが、14年に急増。昨年はさらに拡大した(グラフ参照)。ブラーツェル所長はリコール増加の理由として◇車両の技術が複雑化している◇モジュールスシステムで生産しているため部品の共有比率が高く、1つの部品で不具合が見つかると大量リコールに発展しやすい――を挙げた。サプライヤーへの値下げ圧力の高まりで部品の質が低下しやすくなっていることも懸念材料だ。

昨年はリコールの70%を機械系統の不具合が占めた。これに電気系統が20%で続く。近年はシステムが複雑になっているため、複合的な不具合も増えている。

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