ドイツ連邦内務省は11日、難民流入の急増を受けて昨年9月に開始した国境審査を延長すると発表した。これまでの計画よりも3カ月延ばし5月13日まで実施する。トーマス・デメジエール内相は入国手続きを適切に行い公共の秩序を維持するために必要な措置だとして理解を求めている。
欧州連合(EU)加盟国の大半とスイス、ノルウェーなどのEU非加盟国が調印したシェンゲン協定では域内の自由移動が保証されている。このため、加盟国間では国境検査が原則的に廃止されているが、治安などに深刻な脅威がある「例外的な状況」に限り、各国は期限付きで国境審査を再導入できる。難民流入が急増した昨秋以降、EU加盟国のドイツ、オーストリア、フランス、デンマーク、スウェーデンとEU非加盟国のノルウェーが国境審査を復活させた。
ドイツの難民の大半は現在、ギリシャからマケドニア、セルビア、クロアチア、スロベニア、オーストリアを経由して北上する「バルカンルート」を通して入国する。この傾向に変化がないことから独当局は入国審査の重点を今後もオーストリア国境に置く方針だ。