ドイツの昨年の対米輸出高は前年比約19%増の1,139億ユーロとなり、対仏を抜いて最大となった。輸出先国トップの入れ替えは54年ぶり。1961年から2014年にかけてはフランスが一貫して最大の輸出先だった。連邦統計局のデータをもとにロイター通信が20日報じた。
フランス向けの輸出高は2.5%増の1,030億ユーロに拡大したものの、伸び率は米国向けを大幅に下回った。背景には◇フランスは国内総生産(GDP)成長率で長期的に米国を下回るなど経済の勢いに欠ける◇欧州中央銀行(ECB)の金融緩和政策を受けてユーロの対米ドル相場が14年半ばからこれまでに約20%低下した◇米国で進む製造業ルネサンスを背景に競争力の高いドイツ製機械・設備、自動車、化学製品の需要が同国で高まっている――という事情がある。経済協力開発機構(OECD)は今年のGDP成長率をフランスで1.2%、米国で2.0%と予想しており、米国は今年もドイツ製品の最大の輸出先国となりそうだ。