欧州航空宇宙大手エアバス・グループは防衛エレクトロニクス事業の売却計画を変更する。これまでは同事業を全面放出する考えだったが、売却対象事業をレーダーと目標認識システムに制限。国境管理システムは手元に残すことにした。防衛・宇宙部門ADSの経営陣が従業員に宛てた文書をもとに17日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。
経営陣は国境管理システム事業の売却を取り止めた理由として、同システムに関するサウジアラビアとのプロジェクトの進捗が遅れているためと説明している。FAZ紙によると、これは建前に過ぎず、欧州を目指す難民の急増で国境管理が長期的に大きなビジネスチャンスになりそうなことが本当の理由という。
レーダー、目標認識システム事業に関しては売却に向けて入札を進めており、現在は投資会社KKRやカーライルが選考に残っているという。売却金額は最大13億ユーロに上る見通し。