化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は4日、同社製の洗剤・ボディケア用品・医薬品向け原料がイスラム教の戒律に則っていることを証明する「ハラル認証」を取得したと発表した。ハラル認証を受けた原料の需要が中東、北アフリカ、アジアのイスラム圏で高まっていることを受けた措置。独西部のデュッセルドルフと南部のイラーティッセンの工場で生産する計145の製品を同日付で対応させた。
インドネシア最高位のイスラム聖職者組織であるインドネシア・ウラマ評議会が認可する独リュッセルスハイムのハラル認証機関「ハラル・コントロール」と、ベルギーのブリュッセルにある同認証機関「ハラル・フード・カウンシル・オブ・ヨーロッパ」から認証(HAS 23000)を取得した。ハラル認証を受けるためには生産、保管、輸送などで厳しい基準を満たす必要があり、生産ラインはイスラム教で「不浄」とみなされる物質を用いる生産ラインと異なる部屋に設置しなければならない。
市場調査会社テクナビノによると、ハラル認証ボディケア製品の世界市場規模は2019年まで年率13.7%のハイスピードで成長する見通し。イスラム大国のインドネシアで製品がハラルであるか否かの表記を義務づける法律が19年から施行されることもあり、BASFはハラル認証の取得に踏み切った。足元の欧州でもハラル製品を求める消費者が増えている。