ドイツ連邦カルテル庁は2日、SNS大手の米フェイスブックに対し独禁法上の調査を開始すると発表した。SNS市場での独占的な地位を濫用して個人情報を違法に収集している疑いがあるとしている。同庁は個人情報の違法収集と市場独占的な地位とに関連があれば独禁法上の「地位濫用」に当たり同庁の調査対象となることを強調した。フェイスブックは「法令順守を確信している」との声明を出すとともに、調査に積極的に協力していく考えを示した。
フェイスブックのユーザーは利用に先立って利用規約に同意しなければならない。カルテル庁は、同社が市場独占的な地位を濫用してユーザーに同意を実質的に強要していないかどうかを調査する。
同庁のアンドレアス・ムント長官は「市場支配的な企業は特別な義務に服する。そうした義務には、市場で重要な意味を持つ契約条件(利用規約)が適切なものであることが含まれる。広告を収入源とするフェイスブックのようなネットサービス事業者にとって利用者の個人情報は(パーソナライズド広告を出す顧客企業を獲得するうえで)決定的に重要な意味を持つ」との認識を示した。同庁はフェイスブックがユーザーに対し、収集する個人情報の範囲や収集方法を十分に説明しているかどうかも調査する意向だ。