独英取引所の合併に米競合が横やり

世界第2位の取引所である米インターコンチネンタル取引所(ICE)グループは1日、ロンドン証券取引所(LSE)の買収を検討していると発表した。LSEはドイツ取引所と合併協議を進めており、ICEは横やりを入れた格好。LSEをめぐっては世界最大手のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)も買収を検討しているとの観測があり、関係各社は今後、LSEをめぐり複雑な駆け引きを繰り広げそうだ。

ICEはLSEに対し、買収を検討していることをすでに通告した。買収提案と協議は行っていない。買収に踏み切る場合は英国法の規定により3月末までに提案を行わなければならない。

LSEとドイツ取引所は2月23日、合併に向け協議していることを明らかにした。ICEが今回、LSE買収への関心を表明したものの、両社はすでに取り決めた合併比率(ドイツ取引所側が54.4%、LSE側が45.6%)に基づいて協議を進めていく考えだ。ただ、LSEがICEの買収提案を優先的に検討する方針へと転換した場合、ドイツ取引所は合併条件の変更ないし合併の断念を余儀なくされる。