機関投資家300社がVWに損賠請求、総額33億ユーロ

ドイツ内外の機関投資家278社は14日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)を相手取って損害賠償訴訟を起こした。ディーゼル車排ガス不正問題でVWが適時開示義務に違反したため損害を受けたとして総額32億5,500万ユーロの支払いを要求。独ブラウンシュヴァイク地方裁判所に訴状を提出した。

VWグループでは違法なソフトウエアを使ってディーゼル車の排ガス値を操作していたことが、米環境保護庁(EPA)の9月18日の発表で明らかになった。これを受けてVWの株価は急落。株主は大きな損失を被った。

VWはEPAの発表以前に不正の事実をつかんでいたものの公開しなかった。原告機関投資家はこれが、適時公開義務(有価証券の投資判断に重大な影響を与える情報の速やかな公表を義務づけるルール)違反に当たるとして損賠訴訟を起こした。メディア報道によると、原告には保険大手アリアンツの投資子会社AGIや独貯蓄銀行グループの証券会社DeKaバンクが含まれているもようだ。

原告サイドの弁護士によると、今回の訴訟とは別の機関投資家20社強もVWに対する損賠訴訟の準備を進めている。請求総額は10億ユーロを超える見通しという。

ブラウンシュヴァイク地裁ではVWを相手取って個人投資家が起こした損賠訴訟ですでに審理が行われている。

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