ドイツの電力インフラがロシアの情報機関の攻撃目標となっているもようだ。連邦憲法擁護庁(BfV)の経済団体宛て文書をもとに日刊紙『ターゲスシュピーゲル』が報じたもので、最悪の場合は発電所と送電網が全国的に麻痺する恐れがあるという。
同紙によると、ロシア連邦保安庁(FSB)とロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の影響下にあるハッカー集団ソファシー(Sofacy)が攻撃に向けて準備を進めており、計32のメールアドレス向けにマウルウエアを送りつけた。ソファシーは昨年、独連邦議会(下院)に大規模なサイバーアタックをかけた犯人と目されている。
『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、ロシアは欧州連合(EU)の弱体化を目指しており、その一環で様々な方法を通してドイツに揺さぶりをかけている。社会民主党(SPD)のブルクハルト・リシュカ連邦議会議員(内務政策担当)は「ロシアはドイツ国民の不安を助長しようとしている」と明言した。