エアバス―民間無人機市場に参入へ―

欧州航空機大手のエアバスが民間無人機市場に参入する計画だ。無人機事業はこれまで軍用分野にとどめていたが、業務用分野で需要が急速に拡大していることから新規参入の準備を進めている。民間無人機事業を統括するヤナ・ローゼンマン氏などへの取材をもとに19日付『ヴェルト』紙が報じた。

民間無人機市場への参入に向けて同社は米ローカル・モーターズと提携した。ローカル・モーターズは3Dプリンターで自動車を製造し注目を集める新興企業。エアバスはローカル・モーターズと共同で医薬品などの荷物輸送用の無人機を開発し、順調にいけば来年にもデモ飛行を行う。

ただ、エアバスは輸送用無人機事業を手がける考えはなく、ローゼンマン氏は「第二のアマゾンになるつもりはない」と明言した。他社の輸送用無人機にソフトウエアやプラットフォームを提供する可能性はあるとしている。同社はパイプライン監視用など非輸送分野の無人機を市場投入する考えだ。

米国市場に特に大きな期待をかけており、事業の拡大に向けて提携や買収を行うこともあり得るとしている。

売上高は当面、獲得できない見通し。事業拡大のスピードは無人機規制がどの程度、緩和されるか次第だとしている。例えばドイツでは現在、操縦者の視界外で無人機を操縦することが禁じられており、業務用市場が成長する余地はほとんどない。

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