自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は13日、昨年4月に立ち上げた二輪向け部門「モーターサイクル・パワースポーツ」の売上高を2020年までに10億ユーロへと拡大する計画を発表した。同社が得意とする環境技術、安全技術、ネットワーク化の3分野を柱に事業を拡大。目標を達成する考えだ。二輪の最大市場であるアジアの新興諸国に照準を合わせる。
同部門は横浜に本部を置く。二輪車市場では日本メーカーの存在感がダントツで強いうえ、アジアの新興諸国にもアクセスが便利なためだ。
スタート時点の従業員数は約40人だったが、現在は3倍の130人に拡大した。この間の売上成長率は20%強で、二輪市場の成長率(同5%)を大きく上回っている。売上高は明らかにしていない。
ディルク・ホーアイゼル取締役は20年売上目標の半分以上をアジアで引き出す考えを表明した。
アジアの新興諸国は深刻な公害問題を抱え排ガス規制が強化されていることから、同社は燃費性能を高める電子制御式燃料噴射システムを二輪メーカーに売り込んでいく。また、これらの国では二輪事故による死亡者が多いことから、軽量で低価格の新しいアンチロック・ブレーキ・システム「ABS10」の採用も働きかけていく。ABS10は重量が450グラムと軽く、アジアで需要が大きい排気量250CC以下の小型二輪車に搭載しやすいという。