ドイツ銀行は19日、デジタル商品・サービスの開発拠点「デジタルファブリック」を本社所在地フランクフルトに開設すると発表した。2020年までに7億5,000万ユーロを投じて事業のデジタル化を推し進める戦略(シュトラテギー2020)の一環で、同市をフィンテック(金融関連のITスタートアップ企業)の中核都市に育て上げるという地元ヘッセン州政府の政策を支援する狙いもある。
デジタルファブリックはIT技術者や専門分野に精通した行員など計400人以上のスタッフからなる大きな拠点で、年央にも業務を開始する。同行が昨年、ベルリン、ロンドン、米シリコンバレーのパロアルトに設立したフィンテックと協働するための事業拠点、「ドイチェ・バンク・ラブス」の協力を受けて開発に取り組んでいく。
フィンテックとの協働では成果が出始めており、ドイツ銀はウェブIDソリューションズが開発した技術を利用して、インターネット上の手続きだけで口座を開設できるサービスを年内に開始する。また、欧州の他の金融機関が提供する定期預金・コール預金を同行の顧客が利用できるサービスを、デポジット・ソリューションズの協力を受けて提供する。昨年末に開始した「ロボット・アドバイザー」サービスも拡大してく予定だ。