独銀最大手のドイツ銀行(フランクフルト)は15日、米ニュージャージー州エリザベス港の港湾運営会社マハー・ターミナルズUSAを豪銀マッコーリーのインフラ投資子会社マッコーリー・インフラストラクチャー・アンド・リアル・アセッツ(MIRA)に売却することで合意したと発表した。取引金額は非公開。売却手続きは港湾当局などの承認を経て成立する。
ドイツ銀は2007年、マハー・ターミナルズを推定23億ドルで買収した。だが、その後発生した金融・経済危機で世界貿易が大きく落ち込んだことから評価損を計上。同子会社を不良資産の管理部門ノンコア・オペレーションズ・ユニット(NCOU)に移管した。同子会社のカナダ事業については昨年すでに、アラブ首長国連邦のドバイに本拠を置く港湾管理会社ドバイ・ポーツ・ワールドに売却しており、ドイツ銀は今回の取引により不良資産の削減が進むとのコメントを出した。マハー・ターミナルズUSAの売却は同行の業績に大きな影響をもたらさないと強調している。