ドイツ連邦統計局が欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとに26日発表した同国の民間企業の人件費は昨年、1時間当たり1人32.70ユーロとなり、前年から2.7%上昇した。EUの先進国で上げ幅がドイツを上回ったのは英国(3.9%)、オーストリア(3.3%)、スウェーデン(2.8%)の3カ国のみ。欧州経済が全般的に低迷するなかでドイツは堅調を保っており、これが人件費の比較的大きな上昇につながっている。
人件費ランキングをみると、同国はEU28カ国中8位で、EU平均(25.90ユーロ)を26%上回った。
製造業分野のドイツの人件費は38ユーロで、ベルギー、デンマーク、スウェーデンに次ぎ4番目に高かった。自動車、機械、電機、化学など製造業の競争力の高さが反映された格好。サービス業は29.90ユーロで、9位だった。
一方、給与支給額に対する給与以外の人件費(社会保険料の雇用者負担など)の比率は28%(給与100ユーロに対し28ユーロ)で、加盟国中14位にとどまった。EU平均の31%を3ポイント下回っている。2000年代に実施した構造改革で社会保険料負担が大幅に引き下げられたことが大きい。
同比率が最も高い加盟国はスウェーデンで、48%に達した。これにフランス(46%)、ベルギー(44%)、リトアニア(40%)、ギリシャ、イタリア(ともに39%)が続く。最低はマルタで9%。デンマークとルクセンブルクは人件費が高いものの、同比率はそれぞれ15%、16%にとどまった。