ドイツ連邦統計局が4月29日発表した同月の消費者物価指数(CPI、前日発表の速報値を訂正)は前年同月比0.1%減となり、インフレ率(物価変動率)は前月のプラス0.3%から0.4ポイント低下した。インフレ率がマイナスとなるのは昨年1月以来で、1年3カ月ぶり。物価の押し上げ効果があるイースター休暇が昨年の4月から今年は3月に早まったことが響いた格好だ。CPIは前月比ではマイナス0.4%となった。
イースター休暇の時期は食料品や旅行関連サービスの価格が上昇するため、インフレ率が上がりやすい。同休暇が4月に当たった昨年は食料品やパック旅行の価格が同月に上昇。今年は3月に早まったため、4月のインフレ率は反動で低下した。食料品価格をみると、3月の上げ幅が前年同月比1.3%だったのに対し4月は同0.5%に縮小し、サービスも同1.6%から0.8%へと低下した。エネルギーはマイナス8.5%で、下げ幅は前月の8.9%からやや狭まっている。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比がマイナス0.3%、前月比がマイナス0.5%だった。
統計局は28日に消費者物価統計の速報値を発表したものの、翌日になって「誤りがあった」として訂正。数値を引き下げた。当初はドイツ基準のインフレ率を前年同月比0.1%、前月比マイナス0.2%としていたが、それぞれマイナス0.1%、マイナス0.4%に下方修正。EU基準についても前年同月比をマイナス0.1%からマイナス0.3%、前月比をマイナス0.3%からマイナス0.5%へと引き下げた。